乗馬の基本情報
誰でも一度は、馬に乗ってみたいと憧れたことはあると思います。
しかし、乗馬は日本ではあまり一般的ではなく、乗馬クラブも少ない上に「上流階級のスポーツ」「お金がかかる」というイメージを持たれている方も多いと思います。
確かに半世紀ぐらい前までは、「上流階級」のスポーツでしたが、近年では、メディアの発達により乗馬情報も多く取り上げられるようにもなりましたし、流通網も整備されたおかげで乗馬用品を取り使うお店も増え、乗馬はより身近なスポーツになり乗馬人口も増加しつつあります。
それでも、まだサッカーや野球等の国民的スポーツに比べればマイナーなスポーツです。そこで、今回は、これから乗馬を始めたいと思われている方にも、乗馬を始めたかばかりの方にも分かりやすい、乗馬の基礎知識や乗馬をすることで得られるメリットについてお話したいと思います。
乗馬をするにはどこに行けばよいのでしょうか?
乗馬を始めてみたいと思うのであれば、乗馬クラブをたずねてみましょう。
以前に比べると、乗馬クラブはだいぶ増えており、各都道府県に必ずあるのではないかと思います。
乗馬クラブの種類も多く、競技志向のクラブもあれば、のんびりと馬の居る暮らしを楽しむようなクラブ、そして西部劇にも出てきそうなウェスタンスタイルの乗馬クラブもあります。
学生さんであれば、JRAの施設付属のスポーツ少年団や、ポニークラブなどもある地域もあります。
どこの乗馬クラブでも、体験乗馬教室を開催していると思いますので、いきなり入会するよりも気になる乗馬クラブがあれば、そのクラブの体験乗馬教室に参加してみることをお勧めします。
乗馬クラブを選ぶのに大切なポイントは下記の通りです。
- 乗馬クラブの施設内が整理整頓され清潔に保たれていること。
- 入会金やレッスン料がきちんと決まっており、明朗であること。
- クラブのスタッフや会員さんが礼儀正しく友好的であること。
- レンタルのブーツやヘルメットがきちんと手入れされていること。
- しつこい勧誘はしないこと。
乗馬のレッスン料は、決して安くは無いと思いますので、自分に合うクラブを見つけてくださいね。
乗馬にはどのようなスタイルがあるのでしょか?
乗馬には、大まかに分けてブリティッシュと呼ばれる欧州スタイルの騎乗方法と、ウェスタンと呼ばれるアメリカンスタイルの騎乗方法があります。
ブリティッシュスタイルは、オリンピック競技と同じスタイルだといえば分かりやすいでしょうか?
そして、ウェスタンスタイルは、その呼び名からも分かるようにカウボーイスタイルです。
日本には、ブリティッシュスタイルの乗馬が先に入ってきたため、ブリティッシュ乗馬人口のほうがやや多いですが、近年では、ウェスタンスタイルの乗馬クラブも増えており、日本でも、本場アメリカ顔負けのすばらしい騎乗技術を披露するカウボーイ・カウガールも増えています。
ブリティッシュスタイルとウェスタンスタイルの違いですが、服装や馬具の形状、競技の種類、使う馬の種類も違います。
ブリティッシュスタイルの乗馬は、軍人や貴族の為に考案され進歩してきた馬術ですが、ウェスタンスタイルの乗馬は、荒野を開拓するために考案され進歩してきた実用的な馬術です。
そのため、ブリティシュスタイルの乗馬服は、格式や伝統を重視しており、「やや堅苦しい」感じですが、ウェスタンスタイルの服装は、自由度も高く動きやすく疲れないことに重視されています。
馬具も、ブリティッシュスタイルの乗馬の場合は、シンプルで小ぶりですが、ウェスタンスタイルの馬具は、長時間の移動や、重労働にも耐えられるようにどっしりと重厚なつくりとなっています。
使われる馬に決まりがあるわけではないのですが、ブリティッシュスタイルでは、体高も高くほっそりとした品種の馬が好まれます。対して、ウェスタン乗馬では、小柄でも筋肉が発達し持久力のある品種の馬が好まれます。
どちらのスタイルも非常に魅力的だと思います。
是非、お好きなスタイルを選んで、乗馬をお楽しみください。
乗馬は老若男女が楽しめるスポーツです。
多くのスポーツは、「男子バレーボール・女子バレーボール」、「女子水泳・男子水泳」などのように、男性と女性で分かれていますが、乗馬は性差の無いスポーツです。一部の学生向けの競技会を除いては、公式競技であっても、男性も女性も同じステージで競い合います。
多くのスポーツが、男性・女性とわかれているのは、男女間で身長や筋力に差があり、その差が競技の成果に現れてしまうからでしょう。 しかし、乗馬の場合は、筋力や体格で競い合うわけではなく、馬と人間とのパートナーシップの熟成度を競うスポーツなので、男女別にする必要が無いのです。
また、スポーツの中には年齢や現役期間が制限されているものも多くありますが、乗馬は現役でいられる期間が比較的長いスポーツですので、何歳からでも楽しむことができますし、競技を目指すことも可能です。
60代になってから初めてオリンピックに出場した女性選手や、20代のときにオリンピックに初出場し、60代になってからオリンピックに再出場を果たした選手もいます。
全日本大会などでも、もちろん若い選手は沢山いますが、50代、60代以上でも活躍されている選手も多く見かけます。
国際舞台を目指すのであれば、若いうちから始めるほうが可能性も大きくなりますが、趣味で乗られるのなら、いくつから始めても、その年齢にあわせて楽しめ、上達することができるスポーツだといえます。
乗馬は健康維持にも美容にも効果的です。
乗馬は、人間が歩いたり走ったりするわけではなく、馬の上に乗っているだけなので、そんなに疲れるスポーツでは無いと思われる方もいらっしゃるでしょうが、実は乗馬は全身運動で、思いのほかハードなスポーツなのです。
馬上で感じる揺れは、前後左右が主なのですが、揺れる馬上で正しい姿勢を保つためにはバランス感覚が必要になってきます。正しいバランスを保つためには、身体の各所の筋肉も必要になるので、結構な運動量になります。
10分間の騎乗で45~50キロカロリー消費するといわれています。10分間のサイクリングや、ウォーキングで消費されるのが40キロカロリー前後ですので、乗馬のほうがやや運動量が多いのです。
乗馬では、鞍の上で落ちないようバランスをとるために腹筋や背筋も必要になります。腹筋と背筋がバランスよく鍛えられれば、姿勢も良くなります。猫背の解消にもなりますし、実際に乗馬を始められて頑固な肩こりが解消されたという方も少なくはありません。
そして馬にまたがり、脚(きゃく)を正しい位置においておくだけでも、普段あまり使わない太ももの内側の筋肉を使いますので、コンスタントに乗馬を続けることで、脚もほっそりと引き締まってきます。ヒップアップにも効果があります。
ただ、普段あまり使わない筋肉を使うため、慣れるまでは筋肉痛に悩まされるかもしれませんが、、、
馬術選手は中年になっても、姿勢もよくスラーっとした脚に、引き締まった上半身の方が多いです。
乗馬をするとガニ股になるのではないかと心配される方もいらっしゃいますが、実はその反対で、乗馬に必要な脚の筋肉を鍛えることによって、脚がまっすぐになると言われています。
実際、欧米では子供のO脚予防には乗馬が最適だと言われています。
そして、馬に乗り風を切って走る中で呼吸をする事で、肺も鍛えられ肺活量もアップします。
それ以外にも、馬の規則正しいリズミカルな動きから得られる振動は、癒しやリハビリの効果もあると言われており、馬を使ったホースセラピーなるものもあります。
乗馬は、ストレス解消やリラクゼーションに適したスポーツと言えるでしょう。
まとめ
乗馬は老若男女楽しむこともでき、健康や美容にも良いスポーツです。
もし、乗馬に興味があるのであれば、是非チャレンジされてみてください!
きっと、乗馬は生涯楽しめるすばらしい趣味になると思います。